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Neverland

Neverland_b0058285_1249127.jpg例によって機内でみた映画の感想です。
今回は「Neverland」、ピーターパンの原作者バリと、ピーターパンの着想を得たある一家との物語だ。劇作家のバリは、公園で知り合った美しい未亡人とその4人の子供達に惹かれるのだが、特に、父親を失った悲しみに一人で耐えている大人びた少年、ピーターの閉ざされた心を開きたいと、空想の翼を膨らませ自由に物語を創作する喜びを教えようとの奮闘する数々のシーンが、子供の心を忘れないバリの人間性をあらわしている。映画の特徴を生かし、登場人物がいつの間にか自分達が作り出した物語の中で動き出す設定は、「想像する楽しさ」を雄弁に伝えている。
ところでこの不自然な、未亡人とその家族へのバリの物心両面にわたる支援は、バリと本妻との心のすれ違いにも一因があると思う。バリがNeverlandの夢を分かち合えるのが、本妻ではなかったところに悲劇がある。僕はこの美しい物語に心動かされる一方、バリと妻の不幸を思い、Neverlandの代償の大きさに気が滅入ってしまった。
創作活動は、時に犠牲を伴うものなのか、勤め人の僕の理解の範囲外です。