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マクベス(紀伊国屋サザンシアター)

スコットランド王ダンカンに仕えるマクベスとバンクォーは、ノルウェー軍との戦いに勝利を収め、その戦場からの帰り道に三人の魔女に出会う。魔女たちはマクベスがコーダーの領主となり、「いずれ王となるお方」と予言する。その言葉に魅了されたマクベスとマクベス夫人は、自らダンカンを殺し王冠を手に入れ、王座安泰のためバンクォーまで手にかけてしまうのだった。精神不安定におちいったマクベスは再び魔女たちを訪れ「女から生まれたものは誰もお前を殺せない」という予言に安心する。しかし、スコットランドを救おうと立ち上がったマクダフが、ダンカンの遺児を立ててマクベスの城へ攻め込んでくる。マクベスは魔女の予言を信じこの軍勢に立ち向かっていくのだが・・・ (解説より)
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 文学座の石田圭祐さんからお誘いを頂いて「マクベス」を見に行った。「子供のためのシェークスピア」としてはじめられた取り組みも今年で15回目、だが2時間少々で演じられる以外は、せりふも演技も子供のためにレベルを下げているところはひとつもない。むしろ上演時間を圧縮した分、舞台にテンポが出て、息をもつかせない。これ、子供にはちょっと難易度が高いんじゃないかなあと思わせる。
 石田さんは今回主役のマクベス。勇猛な武将が名誉欲に目がくらみ、手に入れた地位を守らんがために次第にすべてを疑うようになる、その狂気を見事に演じておられた。
 終演後お会いしたら、「この芝居、時間が短い分出入りが多し、演出上舞台に設けられた台の上に何度も上り下りするので非常に疲れる。歳だなあ」と嘆いておられたが、いえいえそんなことありません、他を圧倒する存在感を示されてました!
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 写真左が石田さん。
 早速amazonでマクベスを購入。名誉欲、権謀術数、疑心暗鬼。シェークスピアの昔も今も人の心は変わらない。加えて欲深く、時に臆病風にさいなまれるマクベスの尻をたたくマクベス夫人の存在も、時空を越えたテーマなのかもしれない。